どーも。だいますです。
皆さんは、株式市場の規則性を表した「アノマリー」は知っていますか?
規則性とは、例えば「〇月は株価が下がりやすい」とか「〇曜日は株価が上がりやすい」など、株式の売買に大きく影響してくるものとなります。
ですが、実はこの「アノマリー」は「なぜそう動くのかわからない」ものです。
ただ、過去のデータを取ってみても市場において大きな影響を持っておりますので、知っておいて損をするどころか、投資手法として取り入れてもいいかもしれません。
そこで今回は、「アノマリー」における、月ごとの市場の動向や曜日ごとの動向を解説していきたいと思います。
1年を通じての株価の変動を解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
株式市場における「アノマリー」とは
まずは「アノマリーとは何か」を理解する必要があります。
現在の市場理論では説明することができないが、なぜかその時になると株価が動く、規則性のある現象の事。
代表的な「アノマリー」として季節性のものが挙げられます。これは「カレンダー効果」と呼ばれるものですが、「〇月は株価が上がりやすい」や「〇月は株価が下がりやすい」といったことを過去のデータを基に立証されているからです。
また、中には干支のテーマにした「アノマリー」や、季節性以外にも4年ごとの大統領選挙の年の株価変動をテーマにした「アノマリー」もあるなど、様々な要因で「アノマリー」は存在します。
市場の月別の「アノマリー」
月ごとのアノマリーをまとめてみましたので解説していきたいと思います。
まずは、月によって「上昇しやすい月」と「下落しやすい月」がありますが、1年間を通じての相場の傾向としては下記のようになります。
11月~4月・・・上昇傾向にある6か月
5月~10月・・・下降傾向にある6か月
【1年を通じて最高・最悪な期間】
11月~1月・・・最高の3か月
8月~10月・・・最悪な3か月
では、各月ではどうなのか解説していきます。
解説していく内容はアメリカ市場を基にした「アノマリー」となっていますが、米国市場と日経平均株価は連動しているところがありますので、アメリカ・日本の両方に当てはまる内容かと思います。
1月のアノマリー(1月効果)
相場の格言に「1月効果」といったものがあります。これは「大型株より小型株の方が上がる」といったアノマリーです。
1月は日経平均株価が下落しやすいといった記事を見かけますが、もしかするとこの「1月効果」が原因で日経平均株価の寄与度が高い大型銘柄が下落しているのかもしれませんね。
この「1月効果」は12月中旬から始まっていることが多く、1月の中旬頃には値動きが弱まってくる傾向にあります。
他にも、年末ボーナスの資金流入やポートフォリオの見直しにより、市場が活性化されることも要因の一つです。
2月のアノマリー
11月から1月までの「最高の3か月」が終わり、2月は一息つくことが一般的になっています。相場は調整をはじめてもみ合いになることが多い月です。
日本の相場格言に「節分天井・彼岸底」といったものがあります。
これは株価が2月上旬ごろ(節分)に高値を付けて彼岸の頃(3月中旬)に安値を付けるといった意味となりますが、この格言が当たることはあまり多くありません。
ただ、相場としては1月よりも弱い相場となることが多いようです。
3・4月のアノマリー
3月の株価の特徴として、「月初めに強く、月末に打ちのめされる」といった「アノマリー」があります。
これは3月の第2金曜日に行われる「メジャーSQ」により市場の取引量が多くなり、満期日を通過すると正反対になる傾向があるからだといわれています。
【メジャーSQとは?】
引用元:SMBC日興証券
SQ(特別清算指数)とはSpecial Quotationの略で、日経225先物やTOPIX先物などの株価指数先物取引、または株価指数のオプション取引などを、最終的な決済期日で決済するための清算価格(指数)のことを指します。取引の対象がTOPIXなどの指数である場合には、最終的に決済するためにこのような指数が必要になります。各限月の取引最終日の翌日である「各限月の第2金曜日」がSQ算出日(SQ日)となり、指数構成銘柄の始値で計算された値がSQ(SQ値)となります。また、3、6、9、12月の株価指数先物とオプション取引のSQがメジャーSQで、それ以外の月のオプション取引のSQがミニSQと呼ばれることもあります。
米国市場ではこのメジャーSQは波乱が起きやすい事から「トリプルウィッチング(3人の魔女)」とも例えられているほどです。
「1年を通じて上昇傾向にある期間」の最後の月となる4月は過去の統計から行くと、初旬から下旬にかけてあらゆる種類の株が強い月となります。
これは第一四半期の利益に照準を合わせている投資家が多くいることから、決算発表に先立っての上昇と言えるでしょう。
5・6月のアノマリー (セル・イン・メイ)
「1年を通じて下落傾向にある期間」の最初の月となる5月ですが、GWまでの数日間は上昇することが多く、GWを境に下落が始まっていく傾向にあります。
米国市場で有名な格言に「Sell in May and go away, don’t come back until St.Leger day」といった格言があります。
よく日本では「セル・イン・メイ」と言われ「5月に株を売って、相場から離れろ」と言って意味が一般的となっていますが、すべてを訳すと「 5月に株を売って、セントレジャー・デイまで戻ってくるな」といった意味になります。
この「セントレジャー・デイ」とは9月の第2土曜日に開催される英国の競馬レース「セントレジャーステークス」の事を指しており、言い換えれば「 5月に株を売って、9月の第2土曜日まで戻ってくるな」といったことになります。
過去のデータから見ても、5月~9月は軟調な動きとなることがわかっており、注意深く観察していくことが重要となります。
6月には2度目の「メジャーSQ」がある為、相場が不安定になりがちな傾向にあります。
企業の決算がほとんど終了しており、材料が乏しい時期にあたり閑散期に入っていますので上昇が起きても長続きせず大した上昇でもない状態が続きます。
7・8月のアノマリー(夏枯れ相場)
7・8月になると、海外投資家は夏季休暇、日本ではお盆休みに入る時期となることから市場の参加者が大幅に減少する傾向にあります。
1日の出来高が縮小することから値動きも小幅となり、休暇前にポジションを調整しようと考える投資家の「売り」が入ることから下落傾向にあります。
このような月に、市場に何か悪材料が出た場合は株価が大幅に下落する可能性がありますので注意が必要です。
9・10月のアノマリー(ハロウィン効果)
「夏枯れ相場」も終わり、5月のアノマリーで解説した「セル・イン・メイ」の最終月である9月ですが、過去のデータでは「買い」が入りづらく下落傾向であることがわかっています。
これは、ファンドマネージャーが第3四半期末近くに株の処分売りをしやすくなっている為とも言われていますが、はっきりした根拠はわかっていません。
また10月には「ハロウィン効果」といったアノマリーも存在します。
「10月末には株価が下がる」といったアノマリーの事で、アノマリーを重視する投資家には「セル・イン・メイ」と並んで意識されるアノマリーです。理論的な根拠ないものの世界中の株式市場で見られる現象となります。
実は9・10月には株価の大暴落につながる歴史的な出来事が偶然にも過去に集中して起きており、心理的なイメージから買いが入りにくいといった側面もあります。
11月のアノマリー
「1年を通じて下落傾向にある6か月」を終え、上昇傾向の転換期でもある11月ですが上旬から中旬にかけては相場としては弱い傾向があります。
これにはヘッジファンドの「45日ルール」が関係してきます。
富裕層や機関投資家から資産を増やすことを目的として資金を集め、その資金を運用して利益を出していく会社の事です。投資信託とは違い「先物」や「信用取引」を駆使して相場の上げ下げなく利益を出す会社となります。
【45日ルール】とは
引用元:SBI証券
ファンド出資者は45日前までに、解約あるいは一部換金をファンドに通知するといった取り決めになっていることが多いようです(これが「45日ルール」ですが、ファンドによっては30日前や数週間ということもあります)。例えば解約できる日が6月末なら45日前は5月15日、12月末なら45日前は11月15日となります。
この「45日ルール」による決済売りにより一時的に株価は下落傾向にあります。
しかし、株価は11月第4週のアメリカの感謝祭「サンクスギビングデー」に向けて中旬~下旬にかけ上昇傾向にあります。
この「感謝祭」前後は株価が例年上昇する「アノマリー」があり、その流れは12月まで引き続きます。
12月のアノマリー(サンタクロースラリー)
12月は節税対策の為に保有株の処分売りが発生しやすい月となり、売り圧力が強まり一時的に株価は下落傾向にありますが、クリスマスまでには弱まり新年にかけて買い戻しが発生していきます。
この現象は「サンタクロースラリー」とも言われ米国市場の「アノマリー」となっています。
上昇傾向にある株価ですが、市場は機関投資家の「クリスマス休暇」により相場が閑散としてくるのが12月の特徴です。
市場の曜日の「アノマリー」
ここまで月単位での解説をしてきましたが、週単位ではどうなっているのでしょうか?
曜日の「アノマリー」に「月曜日の株安」といったものがあります。
このアノマリーを岡三証券オンラインで検証していますので参考にしてみてください。
その他の「アノマリー」
月別・曜日別の「アノマリー」について解説してきましたが、それ以外の面白い「アノマリー」を紹介していきます。
満月・新月のアノマリー
月の満ち欠けにより株価が変動しやすいといった「アノマリー」です。
月の満ち欠けは15日ごとに変動を繰り返していきますが、その影響で投資家の心理が変化していくといった内容となります。
満月に向かって下落傾向、新月に向かって上昇傾向といったように満月・新月が相場の転換期になりやすいといった「アノマリー」です。
実際は理論的な検証はされていませんが、実はこの「アノマリー」は無視できないような結果を残しているところもありますので興味のある方は一度、本気で調べてみてもいいかもしれませんね。
サザエさん効果
日曜日に放送されてる国民的アニメの「サザエさん」ですが、株価に大きな影響を与えている「アノマリー」が存在します。
大和総研が2005年に発表したリポート調査によれば、日曜日に放送されている、アニメ版「サザエさん」の視聴率にはある法則があると報告された。それには、「サザエさん」の視聴率が上がると株価が下がり、逆に「サザエさん」の視聴率が下がると東証株価指数が上がるという法則があるという。
引用元:Wikipedia
Wikipediaでも記事にされているような「アノマリー」です。ホントかどうかは検証していないのでわかりませんが、中々面白い都市伝説に近い「アノマリー」かと思います。
ジブリの法則
こちらも都市伝説に近い「アノマリー」となります。
「金曜ロードショーでジブリ作品が放送されると、放送終了後に相場があれる」といった内容となりますが、こちらについても理論的な根拠はありません。
ですが、金曜日の夜に発表されるアメリカの「雇用統計発表」と放送日が重なる点が原因ではないかと挙げられています。
まとめ
いかがでしたか。
理論的には根拠がない「アノマリー」ですが、過去のデータにより結果がわかっている点としては、運用手法に取り入れてもおもしろいかもしれません。
自分の過去のパフォーマンスを振り返ってみて、「アノマリー」との関係性を確認してみてもいいかもしれませんね。
では!!
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