株式投資を始めた方なら一度は「PER」「PBR」という言葉を目にしたことがあると思います。
TV・雑誌やYouTubeなどで注目銘柄が紹介される時に「PER○○倍」や「PBR○○倍」と説明されている事が多いですが、一体この「PER」「PBR」とは何の事なのでしょうか?
今回は、上場銘柄の財務指標である 「PER」「PBR」 を紹介していきたいと思います。
PERとは?PBRとは?
この2つに共通することは、「この銘柄の現在の株価が割安か?割高か?」を表す指標となります。
各々が何を基に、算出されているかは下記の通りです。
PER(株価収益率)=企業の利益と株価の関係
PBR(株価純資産倍率)=企業の資産と株価の関係
となります。
では具体的に解説していきたいと思います。
PER(株価収益率)
PER (Price Earnings Ratio) とは日本語で説明すると「株価収益率」と呼ばれる指標で、具体的には、現在の株価が「1株当たり当期純利益(EPS)」の何倍かを表した指標となります。
EPSとは、企業の純利益を発行株式数で割った指標となります。
「EPS=企業の純利益÷発行済株式数」
発行している1株に対して企業がどれだけ利益を稼いでいるのかを示す指標です。
わかりやすく言うと、現在の株価がその企業の利益と比べて、適正か・適正ではないかを判断する材料となります。
PERを求める計算式は下のようになります。
となります。
例えば、ある企業の現在の株価が1000円だとします。その企業の「1株当たり当期純利益(EPS)」が100円の場合はPERは10倍です。
その企業が決算で前年度から純利益の上昇を発表し、その結果EPSが200円になりました。
では現在の株価を先ほどの現在の株価の1000円で計算すると
となります。
つまり、PERは利益に対しての企業の評価につながっており、PERの数字が大きいほど割高、小さいほど割安となるわけです。
PBR(株価純資産倍率)
PBRとは「株価純資産倍率」(Price Book-value Ratio)と呼ばれ、現在の株価が「1株当たり純資産(BPS)」の何倍かを表した指標になります。
会社の資産に対して現在の株価が割高か割安かの判断材料となります。
BPSとは ・・・ 企業の純利益を発行株式数で割って算出します。
「 BPS=純資産÷発行済み株式数」
この指標は会社の安定性を示す指標となります。
純資産とは・・・会社が保有する自己資本のことで、会社が返済不要の資金をどの位
持っているかといったことです。発行株式も純資産に含まれます。
PBRを求める計算式は以下の通りです。
株価が「1株当たりの純資産」の何倍になっているかを表したもので、PBRの数字が大きいほど割高、数字が小さいほど割安になります。
「株価=純資産」でPBRが1倍となり、1倍を下回れば、株価が資産価値よりも安くなっているので、割安と判断できます。
仮に企業が解散した場合、資産は株主に分配されることとなりますが、例えばBPS(1株当たりの純資産)が1000円、現在の株価が500円の場合は、PBR0.5倍となり、この企業の株価は資産よりも低いので同程度まで株価が買われても良いと考えられます。
PER・PBRの目安は?
では、企業分析として、各々、何倍を目安に割高・割安と判断すればいいのでしようか?
一般的な目安は
PBR= 割安< 「1倍」 <割高
と言われていますが、一概にそうとは言えないところもあります。
では「PER」と「PBR」の目安についてを説明していきます。
PERの目安
「PER」の目安は一般的には「15倍」を境に、15倍以下なら割安、15倍以上なら割高と判断される事が多いです。
しかし、PERは利益を基に算出された指標であり、業種により利益率もまちまちであるため、一概に「15倍」とは言えない場合があります。
なので「同業他社と比べてどうなのか」、「過去からの推移はどうか」など、比較して判断が必要となります。
また、PERの傾向としては、今後の成長期待が高いほど、さらなる株価上昇を期待して買われた場合、PERは高くなります。
PBRの目安
PBRの目安は先ほど解説でも説明した通りに「1倍」が基準となります。
PBRは、株価に対してどれくらい資産を持っているかの指標であるので、PBRが1倍のときは、株価と「1株当たりの純資産」は同じです。
純資産は企業の株の価値と同等なので、PBRが1倍の状況でもし企業が解散した場合、理論上では株主には投資したのと同じ金額が戻ってくることになります。
PBRが1倍よりも大きい場合は、株価がその企業の「一株当たりの純資産額」よりも高い、つまり株価は割高ということになります。
まとめ
いかがでしたか?
今回ご紹介した「PER」「PBR」はあくまで財務分析の指標ですので、割安だから株価が上昇するかはわかりません。
ただ、 「PER」「PBR」 は最もメジャーな指標となっており、参考にしている投資家も多いので、銘柄を選定する際には活用すべきだと思います
他にも参考にすべき指標はたくさんありますので、また別の機会でご紹介していきたいと思います。
では!!
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