どーも。だいますです。
アメリカの金融政策の一つでもある「テーパリング」。
投資に興味がない方でも、一度はニュースや新聞で見たり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。
今回は「テーパリング」について解説していきたいと思います。
「テーパリング」によって株式市場に与える影響は大きいものとなるので、株式投資を行っている方は、注目すべき事かと思います。
「テーパリング」とは
まず「テーパリング」について解説をするときにセットで説明しなくてはならないものに「量的金融緩和政策」と「政策金利」、それとアメリカの中央銀行にあたるFRBの存在になります。
「テーパリング」と「量的金融緩和政策」・「政策金利」は関連性は大いにありますが、別物と考えてください。
アメリカでの中央銀行はFRB(連邦準備制度理事会)と呼ばれ、「テーパリング」を実行する決定権がある機関です。
まずは各々の大まかな説明をしておきます。
中央銀行が行ってきた「量的金融緩和」を段階的に縮小すること。
【量的金融緩和政策】
中央銀行が金融機関(銀行)から国債を買い入れて市場に資金を供給すること。
【政策金利】
中央銀行が実施する金融政策で設定する短期金利の事で、金利が下がったことにより、銀行の預金金利や貸付金利に影響します。
まずは「量的金融緩和緩和」「政策金利」から解説していきます。
「量的金融緩和緩和」「政策金利」 とは?
【量的金融緩和政策】とは、景気が大きく落ち込んできたときやデフレが進んだ場合に、FRB(中央銀行)は”世の中のお金の量を増やすことを目的”として、市中の銀行が保有している「国債」を中央銀行が買い取ることで銀行を通じて世の中にお金を流通させることです。
【政策金利】により短期金利(銀行から借りる時の金利)が下がったことで民間企業は融資を受けやすくなり、融資を受けた企業の設備投資などによって市場に出回るお金が増え、経済の活性化につながるような仕組みとなっています。
新型コロナウィルスの感染拡大による経済の落ち込みの時を例にしますと、まずアメリカのFRBは政策金利の引き下げにより「ゼロ金利」を発表しました。
ところが「ゼロ金利」の効果は薄く、経済は下降の一途をたどっていきます。
そこでアメリカは【量的金融緩和政策】に乗り出し市中にお金を流通させることにより経済を回復させてきました。
まだ「コロナ過」でありながら経済を回復できた点では、非常に効果の大きい政策と言えます。
「量的金融緩和緩和」 と「テーパリング」
「テーパリング」とは先ほど解説した「量的金融緩和政策」を段階的に縮小していくことになります。
このまま「量的金融緩和政策」を続け、市中にお金が流通しすぎると今度は急激なインフレが起こり、物価が上がる事で国民の生活を圧迫させる「スタグフレーション」を起こすことになります。
「悪いインフレ」と呼ばれ、景気が停滞していく中で物価上昇(インフレ)が同時に起きる状態の事。消費者の賃金が上がっていない状態で物価が上がっていけば生活に厳しい状況を生み出すこととなります。
その為、FRBはインフレを避けるために徐々に「テーパリング」を行い市場の資金量を徐々に調整していきます。
「テーパリング」はFRBが、1年に8回開催される「連邦公開市場委員会(FOMC)」というアメリカの金融政策を決定する会合で発表され、その結果が世界中のマーケットに大きな影響を及ぼすほど投資家には注目される会合です。
「テーパリング」が与える株価の影響
では実際に「テーパリング」が始まった場合、株価はどのように動くのでしょうか?
「テーパリング」を行うと、一般的にはFRBの国債買付が減ることにより需要が緩んだことで「国債」の値段が下がり長期金利(米国債10年金利)は上昇します。金利が上昇したことにより資産家は株式よりもより利益の出る「国債」を購入する傾向がある為、株式を売却し国債を購入していきますので、理論的には株価は下落します。
過去のテーパリング実施例
2008年に起きた「リーマンショック」により経済は大混乱に陥り、株価も大きく下落を続けました。
この時、FRBがとった対応が【量的金融緩和政策】です。
FRBが行った政策により経済は回復をしていきましたが「テーパリング」をいつにするかの議論が繰り広げられていました。
「テーパリング」を行う示唆が初めて出たのが2013年5月、当時のFRB議長のバーナンキ議長によるものでした。その翌月の6月のFOMCでも「テーパリング」を示唆。
その当時の「ダウ30種平均」「S&P500」「NASDAQ」の株価チャートが下の図になります。
「テーパリング」を示唆したことにより市場が混乱し、株価が一か月間で6%近くまで下落しました。
この時の混乱した状況は後に「テーパタントラム」と呼ばれています。
ですが一時的に下落はしたものの、その後株価は上昇を続け実際に実施された2013年12月~2014年10月まで株価は上昇していきました。
過去の事例からも分かるように、理論上では「テーパリング」を行えば株価は下落しますが、実際の事例でいくと一概にそうとも言えないことがわかります。
実際に「テーパリング」が始まった2013年12月も大きな混乱はなく上昇を続けています。これは投資家はすでに「テーパリング」を行うことがわかっていたため「織り込み済み」であったと考えられます。
まとめ
今回はアメリカの「テーパリング」について解説してきました。アメリカの株の話なので関係ないと思われるかもしれませんが、日経平均株価は米国株価に連動しているところがありますので、このニュースについては注目する必要があります。
またコロナ過では、日本でもアメリカの政策と同様に【量的緩和】を行っていますので株式に興味がない方も、ざっくりとした内容くらいは覚えておいた方がいいかもしれません。
では!!
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